2017年度 場づくりカレッジ第1講「実践ファシリテーターへのいざないと地図づくり~場を企画・設計デザインする~」開催報告 2017年8月19-20日 @Impact hub Kyoto | home's vi Blog

2017年度 場づくりカレッジ第1講「実践ファシリテーターへのいざないと地図づくり~場を企画・設計デザインする~」開催報告 2017年8月19-20日 @Impact hub Kyoto

私たちhome’s viスタッフ自身が「この人から学びたい!」と思うファシリテーターを招き、参加者と共に学び、深め合う「場づくりカレッジ2017」。第1講は、基礎編として当法人(場とつながりラボhome’s vi)代表の嘉村賢州が講師として登壇しました。場づくりとは何か?どう場を設計し準備するのか?左脳型ファシリテーター・嘉村さんの頭の中を覗いた2日間を報告したいと思います。

2日間の概要

嘉村さんによって場がセットされ、緊張していた場が少しずつほどけ、グループとして場を実践することで1つのチームが出来上がっていきました。嘉村さんの膨大な知識・経験を紐解きながら学んでいくうちにファシリテーターとして場をどうやって設計していくのか、明日から実践していきたいと思う2日間でした。

 

 

講師紹介

1981年兵庫県生まれ。京都大学農学部卒業。IT企業の営業経験後、NPO法人 場とつながりラボ home’s viを立ち上げる。主な経歴 ・京都経営品質協会理事、京都市未来まちづくり100人委員会1~3期事務局長 ・京都工芸繊維大学 創造連携センター ファシリテーターション専門職 ・京都精華大学、同志社大学、京都文教大学 非常勤講師 ・NPO法人 edge理事など。2014年度文藝春秋「この国を救う新しい日本人」に取り上げられる。次世代ワークスタイル研究所「次世代コンサルティング」に選出。

 

 

1日目午前 OARR

まず初めに参加者、スタッフが一緒に円になって2日間学んでいく上でのグランドルールをOARRに沿って確認しました。

OARRとはOutcome (目的・目指す成果物)Agenda (流れ、議題)Role(役割) Rule(過ごし方のヒント<参加者として>)の項目を模造紙にまとめたものです。OARRを提示すると参加者の方が過ごしやすくその場に望めます!とのこと。(模造紙参照)今回の講座の名前は「実践ファシリテーターへのいざないと地図づくり」です。OARRが場に貼り出されているとことで、講座の中で自分を見失った時に振り返ることができ、立て看板があるような安心感がありました。

 

1日目午後 実践ファシリテーターとしての肝を探る

アイスブレイクが終わり、緊張がほどけた後、嘉村さんが学んできた膨大な知識の中からファシリテーターとしての肝を説明。まずは、学んだことを箇条書きにしてみます。

・ワークショップの問の磨き方

・ファシリテーションのタイプ

・成功循環の環

・対話の4段階

・関係性進化のフロー

・U理論

・逆Uプロセス

・違いにのまれない為にファシリテーターが出来ること

 

これらは、ファシリテーターの種類や集団を扱う際のファシリテーターの効果、集団が関係性を深めていくプロセス、ファシリテーションをする際にどのようなプロセスで自分を見失うのか、見失わないようにするにはどうすればよいのか、ファシリテーターとして必要なことを学びました。個人的な感想としては、個人と集団それぞれでいろんな見方があることが面白かったです。場を分析して、項目ごとに分けて考えていくと現在、どのようなプロセスを踏んでいるのかが理解できる気がします。実際に今回は、学んだことの中で「ワークショップの問の磨き方」についてピックアップして説明していきたいと思います。場を設計する際に重要なことはシミュレーションです。場や問いを設計して終わりではなく、その問いを出すとどうなりそうなのか、以下のフローに従ってリアルにイメージすることが重要になります。

 

[シミュレーションのステップ:その質問をされると・・・]

1 自分がワクワクするか?

2 参加者がワクワクするか?

3 自分だったら何を答えるか?

4 参加者だったら何を答えるか?

5 そこには多様性があるか?

 

自分の中の理想に従って場を設計するのではなく、その場、その人、その質問のセリフになったとして、その質問で何を話すか?がシミュレーションの肝であることを学びました。

実践ファシリテーターとしての知識を学んだ後は各グループに分かれて実際に場をデザインしました。

「オープニング(40分)」「学びあい(70分)」「未来の実践に1歩踏み出す勇気をもらう時間(70分)」のテーマごとに4人3グループに分かれて場をデザインしました。そのうえで重要なことは流れを意識することです。それぞれのグループに分かれて作業していますが、他のグループがどのような方針や方法で場を設計しているのか理解することによってプログラム全体で一貫性のある場が設計されるそうです。この講座は、初対面の人が多く緊張した雰囲気がありましたが、この頃には、自然とそれぞれのグループが打ち解けて参加できる空気に変わっていました。

 

2日目 実践!それぞれの場に合ったファシリテーション

2日目は、グループごとに設計した場を実践していくことからスタートします。

「オープニング(40分)」では昨日の講座の振り返りと今日の講座で学びたいことを整理する時間。次に「学びあい(70分)」では自分が話したいテーマをA4 用紙に書いて頭の上に掲げた後、無言で似たテーマの人達と集まりグループをつくってから、テーマごとに話し合う時間。そして、「未来の実践に1歩踏み出す勇気をもらう時間(70分)」では、沈黙の時間をとった後に個人の抱えている内容を2人1組で話し合う時間がそれぞれのグループで実践しました。

 

home’s vi秘伝 musubiサイクル!

最後にファシリテーションの種類について学びました。

ファシリテーションには会議ファシリテーション、ワークショップファシリテーション、プロジェクトファシリテーションが内容や期間によって3つに分類されます。その中でも印象的だったのがmusubiサイクルという概念です。あらゆる集団がモノを生み出し好循環に進めていくプロセスがあります。musubiサイクルはこのプロセスを可視化し、今は何をすればよいのか状況判断をしやすくする概念です。概念的にとらえていた流れを段階ごとに明示することで、プロジェクトが進まなくなった際に段階ごとに振り返り分析することができます。以下の流れがプロジェクトファシリテーションの中で学んだmusubiサイクルです。

 

musubiサイクルの流れ

1 チームの前提共有

2 チームビルディング

3 理念共有

4 未来像

5 シナリオ

6 成功要因

7 詳細設計

8 実施

9 振り返り

 

そして最後のチェックアウトの時間。参加者、スタッフが思い思いに2日間を振り返り、語っていきます。OARRで場がセットされてから場を設計するいろはを学び、実践し、ファシリテーションを学んだ2日間。嘉村さんから得た膨大な知識と共に「明日から実践したい!」とチェックアウトで多くの人が語った今回の講座でした。

 

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